2025年12月 会長挨拶 シンポジウム「『戦後80年』と歴史総合」をめぐって
去る10月5日(日)、明治大学駿河台キャンパスにおいて第8回歴史総合シンポジウムが開催されました。「『戦後80年』と歴史総合」がテーマでした。歴史総合シンポジウムは今年度まで8回連続で開催されていてノウハウも蓄積されており、運営はきわめてスムーズで、たいへん充実した報告とコメント、質疑応答がなされました。上野理事(神奈川県立相模原中等教育学校)による趣旨説明につづいて、報告とコメントを担当された内田圭亮(神奈川県立相模原中等教育学校)、高柳昌久(国際基督教大学高等学校)、高野弘之(武蔵野市武蔵野ふるさと歴史館)、藤田玲史(岐阜市立女子短期大学)、成田龍一(日本女子大学名誉教授)の各氏に心からお礼申し上げます。
本年度のシンポジウムで印象深かったのは、教育現場における先生方の創意工夫の努力とともに、成田氏のコメントでした。成田氏は、戦後80年を、敗戦からベルリンの壁が崩壊して冷戦が終結した1989年までの「戦後」と、その後現在までの「『戦後』後」に分け、「『戦後』後」における平和教育はどうあるべきかを問うていたからです。
これはたいへん重い問いです。歴史研究者にとって...