日時 2008年1月25日(金) 18:30から
会場 文京区男女平等センター
報告 岩崎信夫氏(日本近代史・教育史)
「歴史教育と歴史学の「乖離」」
発表要旨
戦前の歴史教育は、歴史学研究とは一線を画して、美化された歴史を教えた。その反省から、戦後の歴史教育は歴史学研究に依拠することを理念としている。従って時代区分や荘園制の問題、社会史の登場、考古学上の捏造問題や新たな発掘など歴史学上の問題は直ちに教育現場に波紋を呼ぶが、果たして歴史学に、その戸惑いに応える姿勢があるだろうか。また近年は生徒・学生への歴史教育のしにくさを指摘する声も多い。若者の様々な変化なども視野に入れる必要がある。戦後の理念をどう生かすか、歴史学や歴史教育に携わる者に、深い検討が求められているのではなかろうか。